WORKSHOP
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青山南 絵本翻訳ワークショップ
概要
文芸書のみならず、絵本の翻訳を数多く手がける青山南氏をむかえ、絵本翻訳の技術を学びます。未訳の絵本をテキストにして、絵本での言葉の役割、子どもにとどく言葉の選択についてなど考えながら、みんなで1冊の絵本を訳を出し合って意見を交えながらじっさいに訳文を作り上げていきます。 これまでの講座であつかった絵本の中には、最終的に青山先生が手を加えたうえで出版されたものもあります。
- 『あおいろペンギン』ペトル・ホラチェック作(化学同人)
- 『ぼくは むくどりのヘンリー』アレクシス・ディーコン文、ヴィヴィアン・シュワルツ絵(ぷねうま舎)
- 『13かいにはきょうりゅうがいる』ウェイド・ブラッドフォード文、ケビン・ホークス=イラスト(ひさかたチャイルド)
ジャンル
英米の未訳の最近の絵本を一冊、ふさわしい言葉をみなさんとさがしながら、訳していきます。
スケジュール・受講料
現在、募集中・開講中のワークショップはありません。
講師
青山南(あおやま みなみ)
1949年生まれ。早稲田大学を卒業後、文芸誌の編集にかかわるいっぽうで、アメリカ現代小説の翻訳と紹介を長いことつづけてきたが、子育てに夢中になったときのことを書いた『赤んぼとしてのあたしらの人生』(1990年)を刊行したのがきっかけとなって海外絵本の翻訳も手がけるようになった。
訳書・著書
絵本訳書
- 『アベコベさん』フランセスカ・サイモン(文化出版局)
- 『グランパグリーンの庭』レイン・スミス(BL出版)
- 『アボカド・ベイビー』ジョン・バーニンガム(ほるぷ出版)
- 『エイモスさんがかぜをひくと』フィリップ・C・ステッド(光村教育図書)
- 『三びきのやぎのどんけろり』マック・バーネット(化学同人)
など多数
訳書
- 『オン・ザ・ロード』ジャック・ケルアック著(河出書房新社)
- 『テナント』バーナード・マラマッド(みすず書房)
- 『愛している』アン・ビーティ(早川書房)
など多数
著書
- 『短編小説のアメリカ52講』(平凡社ライブラリー)
- 『翻訳家という楽天家たち』(ちくま文庫)
- 『南の話』(毎日新聞社)
- 『60歳からの外国語修行 メキシコに学ぶ』(岩波新書)
青山先生からのメッセージ
絵本には絵がいっぱい詰まっていますから、子どもは絵からいっぱい情報をもらいます。テクスト、つまり文章から得ている情報など、絵からの情報にくらべれば、わずかなものでしょう。ですから、情報をいっぱい湛えた豊かな表情の、それでいてむずかしくない、簡潔な言葉でもって、絵に対抗したいものです。
授業の風景
受講生の声
「なんだかカシコクなったかも!」と毎回思うのが、青山南先生のワークショップです。ただ情報が得られるだけではなくて、機知に富んだ話がどの回でも飛び出すのです。話題は課題の題材から始まって、本文、訳文、絵の雰囲気、文芸全般、歴史と広がり、軽妙な語り口で、青山先生の経験や知識がなだれ込む。絵本と翻訳を楽しみながら進められているからか、先生は教えるというよりも、受講生を仲間に入れようとしているように感じます。
もちろん、受講している私も楽しい。訳について話し合いながら、原文にない感嘆詞をひょいと挿入したり、表記をちょっと変えたりと、先生の調整が入ります。思いつきもしなかったその感覚を知りたくて、先生の言葉を聞き漏らすまいとしていたら、だんだんと推し活のように。尊敬だけでなく、ファン度も高まってしまいました。
日本ユニ・エージェンシーには、上京に合わせて受けられる絵本の翻訳講座がないかと探していて出会いました。「青山南先生・・・ケルアックの!」と即決したことを覚えています。余談ですが、申込に不備があったのに、とても丁寧に受け付けてもらいました。
その頃、私には翻訳者として独立するほかに、海外文芸の本を編集するという目標がありました。学ぶうちに、ユニでは出版翻訳について複数の視点から知ることができたため、さらに夢が広がりました。青山先生から翻訳や業界について学び、スタッフの方から実務上の話を聞き、見学に来た出版社の編集者さんと話をし、そして共に学ぶ受講生からの声も聞くことで、編集するだけでなく出版まで手掛けたいと考えるようになっていったのです。こうして翻訳者仲間と本を作りました。今後も継続、展開していく予定です。
出版翻訳者としての自立はまだまだですが、こちらで学んだことや得た情報がベースになっているおかげで、初めてご依頼いただく方やお仕事内容でも戸惑わずにいられるのを実感します。そして、やっぱり訳書は出したい! いつか単独で訳書を出せるよう、青山先生にかじりついて学び続けます。