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JUAからのお知らせです
北京国際ブックフェア2025に参加しました
北京国際ブックフェア2025に参加しました!
JUAは、2025年6月18日(水)から22日(日)まで北京で開催された北京国際ブックフェア(Beijing International Book Fair)に参加しました。
今回のブックフェアは、「文明の伝承と発展を促進し、交流・相互理解・ウィンウィンを推進する」をテーマとし、国家新聞出版署(National Press and Publication Administration)が主催、マレーシアがゲスト・オブ・オナーとして招かれました。従来は版権輸入が主流であった中国ですが、本年は自国発のオリジナル文化・文学コンテンツの海外展開に力を入れる姿勢が強く見られました。
厳しい出版業界の状況が続く中でも、「ネット文学」「哪吒(ナタ)」「悟空(ウーコン)」「AI」「伝統IP」「漫画」「故宮博物院100周年」などが今年のキーワードとして挙げられ、ゲーム、漫画、アニメ、伝統IP、ネット文学など若年層を中心に人気のジャンルが来場者の関心を集めました。20~40代の読者や家族連れの来場が目立ち、会場は活気に満ちていました。
今回のブックフェアには80の国と地域から1,700社以上が出展し、合わせて22万点の書籍が展示され、1,000件を超える文化関連イベントが実施されました。主催者発表によると、来場者数は約30万人(110の国・地域)に上ったとのことです。
新たな試みとして、「ネット文学特設展区」が設けられ、中国の伝統的IPである「孫悟空」や「哪吒」などにも特設展示エリアが用意されました。


また、エルゼビア、ペンギン・ランダムハウス、ピアソン、シュプリンガー・ネイチャー、ワイリー、集英社、センゲージ・ラーニング、テイラー&フランシス、オックスフォード大学出版局、ケンブリッジ大学出版局、ワールド・サイエンティフィック、キョウォンなど、国際的に著名な出版社も多数出展しました。新たにチリ、キプロス、ベラルーシ、オマーン、バングラデシュ、エチオピア、ケニア、グアテマラ、ジャマイカの9カ国が初参加するなど、出展の国際的な広がりが見られました。
中国発のオリジナル絵本、伝統文化をテーマとした画集、児童文学、地方出版物、さらにAI関連技術を扱った書籍などが、各国から特に注目を集めていました。従来から人気の漫画、科学読み物、心理学、教育関連の海外作品に加え、自国コンテンツの海外展開を重視する本年の傾向が強く感じられました。
<会場内&出版社ブースの様子>





<JUAの商談テーブル>
<現地出版社訪問(一部)>
◆◆◆◆◆参加エージェントより◆◆◆◆◆
本を通じて良き理解者(知音)と出会うこと。
現代的なビルが立ち並ぶ三里屯、古い街並みが残る「車公庄」、路地(フートン)を抜けた故宮近くの「皇城根儿」にある四合院。各出版社が日々仕事をする街の風景は、それぞれの出版社が「何を考え、何を求め、何を表現しようとしているか」を理解する上で大変示唆に富んでいました。出版市場が厳しい状況であるからこそ、北京ブックフェアで実際に足を運び、各社の関係者と直接対話する機会は極めて貴重でした。こうした「冬の時代」においては、一冊一冊の本との出会い、そして出版に情熱を注ぐ人々との交流はより一層意味を持つものであり、良い本を探し、作り、守り続けていかなければならないという想いを、各社の編集者や版権担当者と共有しました。「時間と空間を越える共同体」である本を媒介として、本を愛する「知音」とつながることで、この困難な時期を乗り越えていきたいと考えています。