2025年11月04日
お知らせ

フランクフルトブックフェア2025に参加しました(輸出チーム編)

フランクフルトブックフェア2025に参加しました(輸出チーム編)として、日本書籍の翻訳出版権を海外に売り込んでいる輸出チームのフェア報告をお届けします。最近ニュースでも話題が多い日本書籍の海外での反応など活気あふれるものとなっています!

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

フランクフルト・ブックフェア2025に参加しました

今年も、世界最大の出版ビジネスイベントである「フランクフルト・ブックフェア」に参加しました。弊社輸出チームは、日本の多彩なタイトルを、海外の出版社やエージェント約80社に紹介。魅力的な日本のタイトルについて、熱く語った4日間でした。今回のフェアを通じ、欧米を中心に日本の作品に対する需要がさらに高まっていることを実感。フィクションおよびノンフィクションにおいて、「日本ならではの視点」や「静かな情感」を求める声が増えており、日本発コンテンツの存在感が確実に広がっています。

「ヒーリングフィクション」に見られる新しい潮流

近年人気を集めている「ヒーリングフィクション」では、市場の変化が見られます。これまでは感動の涙を誘うドラマティックな展開や、「猫」「カフェ」「図書館」といった要素が盛り込まれた物語が中心でしたが、今年はむしろ、淡々とした日常の中に温もりや希望を見いだすような作品への関心が高まっています。大きな出来事ではなく、何気ない一瞬に宿る優しさや癒し――そうした“静かな感動”が、海外の読者にも深く響いているようです。

広がるジャンルの多様性:ミステリー、ホラー、YA、そして文学作品

日本のミステリーやホラー作品も、引き続き支持されています。独自の構成力や緻密な心理描写、そして静けさの中に潜む恐怖感など、日本ならではの表現が欧米の読者を惹きつけています。一方で、SNSの仕組みやユーザーの心理を巧みに利用した、「SNSホラー」と呼ばれるジャンルも台頭しています。

また、従来は注目されてこなかったヤング・アダルト(YA)分野にも新たな動きありました。等身大の青春や自己探求を描いた作品が評価され、「日本の文学は素晴らしい。きっと若い読者層にも受け入れられるストーリーが必ずある」と感じてもらえたフェアでした。

さらに、「新しい女性像を描いた文学作品」の紹介にも熱心に耳を傾ける欧米圏の編集者が多くいました。自立や多様な生き方をテーマにした作品、社会の中で揺れ動く個人の姿を繊細に描いた小説などに対し、欧米の編集者から多くの共感の声が寄せられました。日本文学の中に息づくリアリティとしなやかな表現が、現代社会の普遍的なテーマとして受け止められているようです。

ノンフィクション作品の新たな傾向

ノンフィクション分野では、欧米市場において従来型のタイトルがやや苦戦している一方で、日本から発信される作品には新たな可能性が見られました。これまで根強い人気を誇ってきた「日本文化ならではのアイデア」や「仏教の僧侶によるセルフヘルプ」に加え、より普遍的で実用的なテーマを扱った自己啓発ジャンルにも関心が集まっています。

今年のブックフェアでは、日本の出版コンテンツが世界市場においてますます存在感を高めていることを改めて確認する機会となりました。多様なジャンルの中で、日本独自の感性や語り口、そして新しい価値観を描く文学が受け入れられ始めています。今後も各国のブックフェアを通じて、日本のタイトルが一人でも多くの読者の心に届くよう努めてまいります。

弊社仲介話題のタイトルです
弊社商談スペースにて 輸出チームのエージェント

お問い合わせ

  • 海外の著作物について 海外で出版された著作物を翻訳出版したい出版関係者の方へ フォームへ
  • 日本の著作物について 日本で出版された著作物を海外で出版したい出版関係者の方へ フォームへ
  • 著作物の一部利用について 海外の著作物を教材、書籍、舞台、TVドラマ等で使用されたい方へ フォームへ